AV情報家電 家電製品アドバイザー(エグゼクティブ等級)でオーディオ歴40年以上のyacchiです。
尾道としまなみ海道を訪れた私の旅。
今回は、しまなみ海道の島々を巡る旅の記録をお届けします。
実は8カ月ほど前に、四国旅行した際にしまなみ海道は通ってるんです。
その時もしまなみの各島に寄ろうと思ってたんですが、途中のインターで降りることを知らずに、四国までと行っちゃったんですよね。
今回は、その時のリベンジも兼ねています。
瀬戸内海に浮かぶ美しい島々、そこに息づく歴史と文化、そして心に残る絶景の数々。
YouTube動画では伝えきれなかった詳細情報も含めて、たっぷりとご紹介していきます。
しまなみ観光を計画されている方、瀬戸内海の魅力を知りたい方に、少しでも参考になれば嬉しいです。。
この旅の臨場感はYouTube動画でチェック!


今回の撮影機材
今回使用した撮影機材は以下です。
今回、ソニーα7cⅡ をメインに動画撮影をしました。
一眼カメラでの動画撮影は静止画とはまた違った勉強が必要です。
一眼カメラのジンバルは持っていないので、歩き撮りをしたい場合に DJI Osmo Pocket 3 が活躍します。
3軸ジンバルのカメラなので、手振れはかなり抑えられます。
レンズは直近に購入した SONY FE 20-70mm F4 G 1本で撮影しました。
このレンズは珍しい広角側20mmスタートの標準ズームレンズで、動画撮影には最強です。
また、奥様は「VLOGCAM ZV-1 II」でも撮影しています。
- カメラ
ソニーα7cⅡ
DJI Osmo Pocket 3
VLOGCAM ZV-1 II
- レンズ
SONY FE 20-70mm F4 G
- マイク
ソニー ECM-G1
- NDフィルター
NiSi 可変NDフィルター TRUE COLOR VARIO 1-5stops (ND2-32)
NiSi 動画撮影用フィルター SWIFTシステム ND16 (4ストップ)82mm
- NDフィルターアダプターリング
NDクイックリリーススイッチ ブラケットレンズフィルター
- ステップアップリング
NiSi ステップアップリング Brass アダプターリング 72-82mm
- カメラストラップ
PeakDesign(ピークデザイン) スライドライト ネックストラップ
- カメラバッグ
PGYTECH OneGo Lite カメラリュック 22L
- その他
ソニー予備バッテリー
今回は、DavinciResolve20 Studio(有償版)で動画編集
最近、私が今まで使っていたFilmoraは、10bit 4:2:2 で撮影した動画データは取り込めますが、Filmora内部では8bitになってしまっていることを知りました。
これでは、せっかく10bitで撮影してもあまり意味がない…。
なので、前回、DavinciResolve20の無償版を使って動画編集してみました。
DavinciResolve20の無償版には制約が色々とあって、まず10bit 4:2:2のファイルは読み込みできません。
また、無償版だと10bitでの書き出しができません。
なので、思い切ってDavinciResolve20 Studio(有償版)を購入しました。
そこで今回は、S-log3 50M 10bit 4:2:2 で撮影した素材を取り込みました。
Log撮影も2回目になりました。
Log撮影も結構、難度が高いです。
私の使用している一眼ミラーレスカメラ ソニーα7CⅡのBASE ISO感度は、800と3200です。
このISO感度に合わせようと思うと、日中の撮影では大体露出オーバーになってしまいます。
そこで普段使っている「NDフィルター(NiSi 可変NDフィルター TRUE COLOR VARIO ND2~32)」とは別に、
このNDフィルターの上にかぶせて使用できる「NiSi 動画撮影用フィルター SWIFTシステム ND16」 を購入しました。
これで安心して日中の撮影ができます。
また、Log撮影していると、ピンボケになることが多い気がします。
カメラのモニターは小さいので、一見ピントが合っているように見えても、いざPCで画像を確認してみると、結構ボケてたりします。
Log撮影時は色が非常に薄い状態で撮影されるので、そのせいかな?とも思っています。
モニター上はガンマ表示アシストをオンにして、Rec.709の状態にしています。
これが最近、Log撮影時の悩みです。
あらためてDavinciResolveの色編集が凄すぎる!と実感しました。
本当にFilmora以上にかなり色味にこだわることができます。
とはいっても、まだまだ動画の色調整は難しいですね。奥が深すぎます。
まだまだトライアンドエラーで勉強中です。
DavinciResolveとFilmoraの違いは、また別の記事に書きますね。
カラーコレクション・カラーグレーディングは以下の本で勉強を始めではいます。
しかし、「カラーコレクションハンドブック」は非常に難解で、中々スッと理解できない。
う~ん、難しい…
向島(むかいしま):レトロと絶景の島
尾道から一番近い島、向島。
橋を渡ってすぐのこの島には、昭和の懐かしい空気と、瀬戸内海を一望できるパノラマスポットがありました。
● 高見山展望台
尾道からしまなみ海道に入って最初の島が向島です。この島の見どころのひとつが、標高283mの高見山展望台です。
実は、この展望台のことは尾道で訪れた「猫の横丁」のご主人から教えていただきました。
「向島に行くなら高見山はぜひ行ってみて」とおすすめされ、立ち寄ることに。
高見山展望台への道のり
向島インターチェンジから車で約15分。
山頂付近には駐車場があり、そこからすぐに展望台に到着します。
確かに途中の道路は細い個所もあるので、対向車には注意が必要です。しかし、その苦労を上回る絶景が待っていました。
標高283mの山頂にある展望台からは、360度の大パノラマが広がります。
眼下には穏やかな瀬戸内海、そして島々を結ぶ橋のライン。
まさに「多島美(たとうび)」という言葉がぴったりの絶景でした。
展望台へ向かう途中の道路は少し細い箇所があるので、運転には注意が必要ですが、この景色を見るためなら行ってみる価値は大いにあります。



瀬戸内海の絶景パノラマ
展望台に立つと、目の前に広がるのは瀬戸内海の大パノラマ。
因島大橋や生口島、さらには天候が良ければ四国山脈まで望むことができます。
瀬戸内海特有の多島美—大小の島々が点在する美しい景観—を一望できる、まさに絶景スポットです。
私が訪れた日は天気も良く、紺碧の海と緑豊かな島々、そして青い空のコントラストが本当に美しかったです。
展望デッキにはベンチやテーブルも設置されているので、お弁当を持参してゆっくりと景色を楽しむのもおすすめです。


高見山の歴史と「瀬戸のうたみち」
高見山は瀬戸内海国立公園に指定されており、標高は283mです。
かつて村上水軍の見張り台があったとされ、「高見」という名前もそこに由来しています。
現在では、桜や夕日の名所としても知られ、10月から11月にかけては数十羽のタカが飛来するバードウォッチングのポイントにもなっています。
展望台周辺には「瀬戸のうたみち」という自然散策路があります。
この散策路は山頂駐車場あたりから立花自然活用村を経由して立花海岸までを結ぶコースで、向島や高見山を訪れた文豪や歌人が詠んだ短歌が22の自然石に刻まれています。
道なりに点在するこれらの歌碑を巡りながら、絶景と文学の香りを同時に楽しむことができる、風情ある散策路です。
春には桜、初夏にはツツジが美しく咲き誇り、季節ごとに異なる表情を見せてくれます。
地元の登山客も多く、整備された登山道や遊歩道を利用して徒歩で登ることも可能です。
今回は、妻を展望台で待たせていたので、少ししか行きませんでした。



● 後藤飲料水工業所
向島でどうしても行きたかった場所。
それが、昭和レトロな雰囲気が漂う後藤飲料水工業所(後藤鉱泉所)です。
お店に一歩足を踏み入れると、そこはまるで昭和の時代にタイムトリップしたかのよう。
創業は昭和5年(1930年)。 木枠のガラスケースや、年季の入った製造機械が今も現役で動いている様子に感動します。
今回は、お店の看板商品である「マルゴラムネ」と、地元の養蜂家さんとコラボした「フクビーはちみつレモン」を購入しました。
ラムネはその場ですぐにいただきました。
というのも、ここのラムネ瓶は今ではもう製造されていない貴重なガラス製。
持ち帰りができないため、その場で飲んで瓶を返却するスタイルなのです。
「プシュッ」とビー玉を押し込む音とともに、喉に広がる爽快感。
1本1本手作りで作られているラムネは、市販のものとは違う、優しくて懐かしい味わいでした。
昭和5年創業の歴史ある鉱泉所
後藤鉱泉所は昭和5年(1930年)創業の老舗清涼飲料水製造所です。
創業から90年以上、変わらぬ製法で瓶入りのラムネやサイダーを作り続けています。
看板には「後藤飲料水工業所」と書かれていて、知らずに通ると入っていいのか迷ってしまうかもしれません。
でも、ラムネののぼりや手書きの「昔懐かしいラムネ・サイダー・ミルクセーキあります」の文字が優しく誘ってくれます。










【解説】幻のサイダーと職人技
後藤飲料水工業所は、日本でも数少なくなった「地サイダー」の製造所です。
特に有名なのが「マルゴサイダー」。
マルゴサイダー(マルゴラムネ)は、創業の昭和「5」年と創業者の後藤さんの「ご」をかけて名付けられた、お店を代表する飲み物です。
甘すぎず後味さっぱり、シュワッと爽快で、なんとも言えない懐かしさを感じる味わいでした。
このサイダーに使われている瓶は、今はもう生産されていない「マツラムネ」製のガラス瓶(通称:幻の瓶)を使用しており、この瓶だからこそ強い炭酸圧に耐えられ、独特ののど越しが生まれると言われています。
私が飲んだ「フクビーはちみつレモン」は、地元の「FUKUBEE(フクビー)」という養蜂家さんが作った純粋ハチミツと、瀬戸田産のレモンを贅沢に使ったプレミアムな一杯でした。
砂糖を使わず、ハチミツの甘さだけで仕上げているそうで、レモンの酸味とハチミツのコクが体に染み渡る美味しさでした。


4代目の想い
実はこの後藤鉱泉所、3代目ご夫婦の後に後継者がおらず、事業承継サイトで募集をかけていました。
そこで手を挙げたのが、当時竹原市役所で地域活性化に関わる業務をしていた森本繁郎さん(現4代目)です。
「地域に愛されているものを残さなきゃいけない」という思いから、1年をかけて先代から製造技術を学び、2021年4月に正式に店を引き継ぎました。
製造に使用する機械のほとんどが昭和20年代から使い続けてきたもので、メンテナンスができる業者も日本に1カ所しかありません。
味の決め手となる香料も廃番になり、特別に注文して取り寄せています。
手作業も多く、1種類の飲料を製造するのに丸2日はかかるそうです。
それでも「この味を守り、後世に残したい」という4代目の想いが、この小さな鉱泉所を支えています。
因島(いんのしま):水軍と柑橘の島
向島から因島大橋を渡って、次は因島へ。
ここはかつて瀬戸内海を支配した「村上水軍」の本拠地であり、柑橘類「はっさく」発祥の地でもあります。
● 因島大橋北駐車場で、因島大橋を下から観る
因島に到着してすぐに立ち寄ったのが、因島大橋のたもとにある駐車場です。
さっき車で渡ってきた巨大な吊り橋を、ここでは真下から見上げることができます。
頭上を覆う鉄骨の幾何学的な美しさと、その間から見える空と海の青。
橋を「渡る」だけでなく「見る」ことで、そのスケールの大きさを改めて実感しました。
なんとも言えない迫力ある景色が最高です。





● はっさく屋
因島といえば「はっさく」が有名です。
その特産品を使ったスイーツを求めて、「はっさく屋」さんへ向かいました。
お目当てはもちろん、名物の「はっさく大福」です。
この酸味と甘さのバランスが本当に絶妙なんです。
みずみずしい果肉の食感と、もちもちの大福とのマッチングは、他では味わえない美味しさです。




店内は多くのサイクリストや観光客で賑わっており、壁には有名人のサインがたくさん飾られています。

その中で、女優の長澤まさみさんのサインを発見!

長澤まさみさんはお父様がサッカー関係の方で、静岡のご出身ですが、映画『嘘を恋する女』の撮影でこの地を訪れて以来、ご縁があるようです。
また、人気バンド「ポルノグラフィティ」の出身地もここ因島。
まさに聖地として、多くのファンが訪れる場所でもあります。
はっさくとは?
八朔(はっさく)は、温暖な因島で育つ柑橘類で、独特の酸味と苦みが特徴です。
ビタミンCが豊富で、爽やかな香りと果汁の豊富さが魅力の果物です。
はっさく大福の美味しさ
はっさく屋のはっさく大福は、生のはっさくの果肉を白あんで包み、さらにみかんの皮を練り込んだみかん餅で包んだ大福です。
一口食べると、はっさくの酸味と白あんの甘さが絶妙にマッチします。
みかん餅の食感と香りも加わって、これまで食べたことのない新しい味わいです。
似たような大福でイチゴ大福がありますが、私ははっさく大福の方が好きですね。
はっさくの爽やかな酸味と独特の苦みが、大人の味わいを醸し出しています。



あまりの美味しさに追加購入
その場で1個食べてみたところ、あまりの美味しさに感動。追加で購入してしまいました。
お土産としても喜ばれること間違いなしです。
店内にはイートインスペースもあり、無料のインスタントコーヒーなども用意されています。
しまなみ海道のサイクリング中の休憩スポットとしても最適です。
はっさく大福の販売期間
はっさく大福の販売期間は10月後半から翌年8月頃までです。
はっさくの在庫がなくなり次第終了となるため、訪問前に確認することをおすすめします。
八朔がない時期には、ぶどう大福や甘夏大福などの季節限定商品も楽しめます。
人気商品のため、オンシーズンはすぐに売り切れることもあります。
予約をするか、午前中早めの訪店が得策です。
● 因島水軍城に向かう途中の景色
次なる目的地へ向かう途中、あまりにも景色が綺麗だったので、思わず車を止めてしまいました。
ガードレールの向こうに広がるのは、穏やかな瀬戸内海。
キラキラと光る水面を眺めているだけで、心が洗われるようです。
瀬戸内海のこの穏やかな景色は、何度見ても大好きです。




● 因島水軍城
歴史好きなら外せないスポット、因島水軍城へやってきました。
小高い丘の上にそびえるその姿は、かつてこの海を制したつわものたちの威厳を感じさせます。
因島水軍城:村上水軍の歴史を学ぶ
因島の見どころのひとつが「因島水軍城」です。
全国でも珍しい城型の水軍資料館で、村上水軍の歴史を学ぶことができます。
因島水軍城とは?
因島水軍城は、昭和58年(1983年)に歴史家・奈良本辰也氏の監修により建設された資料館です。
中世において因島を拠点として活躍した村上水軍(村上海賊)の武具や遺品、古文書など、貴重な歴史資料が展示されています。
過去にこの位置に天守が存在していたわけではなく、観光開発のために建設されたいわゆる「模擬天守」ですが、その建設の経緯や展示内容には大きな意義があります。
村上水軍(村上海賊)の歴史
村上水軍は、南北朝時代から戦国時代にかけて瀬戸内海の制海権を握っていた海の武装集団です。
「海賊」という名前ですが、略奪を行う海賊ではなく、海上交通の安全を守る「海の領主」としての役割を果たしていました。
因島を拠点とした因島村上氏は、小早川水軍の一翼を担い、毛利氏との関係も深い一族でした。
遣明船の警護や多くの合戦に参加し、特に1576年の大阪木津川口の戦いでは、織田信長の水軍を見事な連係プレーで撃破したことで知られています。
村上水軍が考案した「焙烙火矢(ほうろくひや)」を敵船に投げ込む戦法により、信長の水軍(木船)はまたたく間に火の海となり、まったく歯が立たなかったと言われています。
2016年4月には「日本遺産」に認定され、村上水軍の歴史的価値が改めて評価されました。
因島水軍城の見どころ
因島水軍城は、本丸・二の丸・隅櫓からなります。
本丸(水軍資料館) 因島村上氏6代当主・村上新蔵人吉充が中国から持ち帰った釈迦の涅槃図や、小早川隆景より拝領された甲冑など、水軍ゆかりの品々が展示されています。
特に注目すべき文化財として、広島県重要文化財に指定されている白紫緋糸段縅腹巻附兜眉庇(室町時代末期の作)や、村上家古文書3巻(鎌倉時代から戦国時代までの貴重な史料)があります。
二の丸(展示室) 人形で再現した水軍戦法会議などが展示されています。
隅櫓(「因島水軍まつり想いの館」) 因島水軍まつりの写真や城跡をまとめたイラストが展示されています。





訪問した際は、紅葉が綺麗でした。














金蓮寺の村上氏墓所
因島水軍城のふもとには、因島村上氏の菩提寺である金蓮寺があり、村上水軍歴代の墓(五輪塔)が市史跡に指定されています。
戦国時代から活躍した水軍の歴史を肌で感じることができる場所です。
生口島(いくちじま):アートとレモンの島
因島から生口橋を渡ると、しまなみ海道3つ目の島・生口島に到着します。
生口島は「瀬戸内のレモンの島」として知られ、国産レモン生産量日本一を誇ります。
島全体が美術館のようなアートな島でもあります。
● リトルキッチン アルモ(Little Kitchen Almo)
お昼ご飯は、Googleマップで評価が高かった「リトルキッチン アルモ」へ。
店の正面には、海が広がっています。

ここは、ジェラートで有名な「ドルチェ」の近くにあるのですが、少し奥まった場所にあるため、最初は通り過ぎてしまいそうになりました。
外観は小さなドライブインのような、可愛らしい店構えです。


店内は落ち着いた雰囲気で、知る人ぞ知る隠れ家といった感じ。


今回は以下のメニューを注文しました。
- エビのレモンペッパー風味パスタ
- イカの明太クリーム風味パスタ
- ホットレモン
- ミックスジュース

ドリンクも果実感が強くて美味しかったのですが、何より驚いたのがパスタのクオリティです。
特に「エビのレモンペッパー風味パスタ」は絶品でした!
レモンの産地ならではのフレッシュな酸味と香り、そこにプリプリの海老の甘みとペッパーの刺激が見事にマッチしています。
パスタ専門店にも負けない、いや、それ以上の本格的な美味しさでした。
生口島ランチの穴場として、自信を持っておすすめできます。




● 耕三寺(こうさんじ)
極彩色の門や建物が目に飛び込んでくる、生口島随一の観光スポット「耕三寺」。
一歩足を踏み入れると、ここが日本であることを忘れてしまいそうな、圧倒的な色彩の世界が広がります。
【解説】母への愛が生んだ「西の日光」
耕三寺は、ただの古いお寺ではありません。
この寺を建立したのは、大阪で大口径特殊鋼管の製造会社を創業し、成功を収めた実業家・耕三寺耕三(こうさんじ こうぞう)氏です。
彼は、故郷に残した母親への感謝の気持ちを込めて、昭和10年(1935年)から30年以上の歳月をかけてこの寺を建立しました。
もともとは母親の老後を慰めるための別荘「潮聲閣(ちょうせいかく)」を建てたのが始まりで、母の死後、自ら僧籍に入り、菩提を弔うために寺院として整備を進めました。
そのため、耕三寺は「母の寺」とも呼ばれています。
境内の建物は、日光東照宮の陽明門や、平等院鳳凰堂、法隆寺夢殿など、日本各地の国宝建築を模して建てられています。
これらは単なるコピーではなく、実測図をもとに当時の名工たちが腕を振るった本格的なもので、その豪華絢爛な姿から「西の日光」と称されています。
孝養門は日光東照宮の陽明門を原寸大で再現した随身門で、完成までに10年の時間を要しました。
本堂は京都宇治の平等院鳳凰堂をモデルとした建物で、国の登録有形文化財に指定されています。
五重塔は室生寺の五重塔を模したもので、木の代わりに鉄を多用するなど、耕三らしい工夫が織り込まれています。
母親に「日本各地の名建築を見せてあげたい」という耕三氏の深い愛情が、この壮大な伽藍を作り上げたのです。















● 未来心の丘(みらいしんのおか)
耕三寺の敷地内を奥へと進み、エレベーターで上がった先にあるのが「未来心の丘」です。
そこに広がっていたのは、見渡す限りの「白」の世界。

【解説】大理石で描かれた家族の愛
未来心の丘は、広さ約5,000平方メートルにも及ぶ白い大理石の庭園です。
この庭園を設計・制作したのは、広島県世羅郡出身の彫刻家・杭谷一東(くえたに いっとう)氏です。
ここで使われている大理石は、すべてイタリアのカッラーラで採掘され、船ではるばる運ばれてきたもの。
その総重量は約3,000トンにも及びます。 杭谷氏は、この庭園のコンセプトとして「家族の愛(家族愛)」を掲げています。
これは、母への愛で建てられた耕三寺の精神とも深く共鳴するテーマです。
大小さまざまな大理石のモニュメントは、「光明の塔」や「風の四季」など、自然や宇宙との調和をテーマに作られています。
少し小高い丘の上にあるため、白亜の大理石と、背景に広がる瀬戸内の青い空・青い海のコントラストはまさに絶景。
どこを切り取っても絵になる、フォトジェニックな空間でした。









● 瀬戸田サンセットビーチ
旅の最後に立ち寄ったのは、瀬戸田サンセットビーチです。
日が傾きかけた時間の海は、昼間とはまた違った表情を見せてくれました。



【解説】アートが点在する日本屈指のビーチ
瀬戸田サンセットビーチは、長さ800mにわたって白い砂浜が続く美しい海浜公園です。
その美しさと水質の良さから、環境省の「日本の水浴場88選」にも認定されています。


このビーチの最大の特徴は、美しい夕日だけでなく、砂浜に点在する現代アート作品です。
生口島は「島ごと美術館」というコンセプトを掲げており、島内のいたるところに野外彫刻が設置されています。
サンセットビーチにも、「空へ」や「ねそべり石」といったユニークな作品があり、アート越しに眺める瀬戸内海の風景は格別です。
シャワーや更衣室、キャンプ場などの設備も整っており、夏は海水浴客で賑わいますが、オフシーズンに夕日を眺めながらゆっくりと散歩するのもおすすめです。






倉敷への移動
しまなみの島々を堪能した後は、どうしても倉敷美観地区が見たくて、帰り道に岡山県の倉敷へ立ち寄ることにしました。
白壁の美しい景色は、しまなみとはまた違った感動がありました。
倉敷の旅の様子は、また別の記事で詳しくご紹介しますね。


旅のまとめ
向島のレトロなラムネ、因島の絶品はっさく大福、そして生口島の圧倒的な大理石庭園。
島ごとに異なる個性があり、何度訪れても新しい発見がある場所だと改めて感じました。
「次の休みはどこに行こうかな?」と迷っている方は、ぜひ車で巡るしまなみ海道の旅を計画してみてください。
心ほどける絶景が、あなたを待っています。
YouTube動画では、この旅の様子を美しい映像と共にご覧いただけます。
ぜひ動画もチェックしてみてください!
最近動画をやり始めて思うのは、旅の思い出は写真よりも動画の方が鮮明に蘇ってくる、ということです。
実際にその場で見ていた景色よりも動画で観た方が奇麗だったりもします。
写真だと最近はアルバムも作成しないけど、動画だとYoutubeで気楽に観れるので旅の振り返りには最適です。
今後も「カメラ」カテゴリーでは、旅の思い出やカメラ機材などのブログを随時更新していきます。
それでは、楽しいオーディオ・ビジュアルライフを!!





















※この記事の内容はあくまで個人の見解で、間違っていたり、最新でない可能性があります。できるだけ公式サイトのリンクを貼っておきますので、正しい情報は公式サイトをご確認ください。


























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