AV情報家電 家電製品アドバイザー(エグゼクティブ等級)のyacchiです。
オーディオ歴は40年以上、ホームシアター歴は15年以上です。
我が家は、FOCAL Chorus826E というトールボーイ型のスピーカーを使っています。
いろいろとメモを持参して比較試聴した上で FOCAL Chorus826E に決めたのですが、導入当初はその豊かすぎる低音の制御に苦労しました。
今回はボワついたり、ブーミーになりがちな低音を制御する我が家のルームチューニングに関して見ていきます。
お金をそんなにかけずに、いかに工夫したか? など参考になれば幸いです。
- ルームチューニングの必要性
- 低音をどう制御するか
- 中高音をどう制御するか
- 手作り吸音ボード
- お手軽な吸音材の導入
- お手軽な拡散材の導入
- ルームチューニングの結果
ルームチューニングの必要性
店頭で慎重に試聴して購入したスピーカーのはずなのに、「自宅で聴くと違う音になってしまう」という経験はないでしょうか?
私はあります。
じゃあ、それはなぜなんでしょうか?
クラシックのコンサートは、演奏するホールによって音が違う、と言われています。
それは「ホールの音響特性(反射音など)」が楽器の音や響きに影響を与えるからです。
私の経験では、上野にある「石橋メモリアルホール」の音響が素晴らしかったのを覚えています。
それでは、自宅の部屋(リスニングルーム)はコンサートホールのように「音響特性」は影響しないのでしょうか?
当然、私たちの部屋(リスニングルーム)もコンサートホールほでではないですが、その「音響特性」がスピーカーの音に大きく影響を与えています。
なので、試聴して気に入ったスピーカーを自分の部屋にポンと設置しただけでは、良い音が出てこないことが結構あるんです。
それは試聴した店頭と「部屋の音が違う」のが原因なんです。
実際に部屋で使用しているスピーカーの音というのは、スピーカーからの音が3~5割で、残りは部屋の音(壁などの反射音)となっているんです。
なので、部屋の音響特性が悪いとスピーカーの真価が発揮できません。
スピーカーの音が悪いからといって、いろいろな機材やアクセサリーを導入するのではなく、部屋の音響特性を整えることが重要なんです。
我が家のリスニングルーム
我が家は鉄筋コンクリートのマンションです。
リスニングルームはリビングです。
スピーカーの背面の壁は隣戸との境のコンクリート壁になっています。
リビングの隣が和室になっているので、右スピーカーの右側はふすまになっています。
低音をどう制御するか
私が購入した FOCAL Chorus826E は店頭試聴時とは違い、派手に低音が鳴り響いており、それが少しブーミーになってしまい、低音がボワついてスッキリしなかったんです。
なのでこの低音の制御に一番苦労しました。
低音がスピーカーの背面や背面の下側に溜まっているので、まずは余分な低音を吸音しようと思いました。
スピーカーの背面に「手作りの吸音ボード」を設置しました。
それでも不快な低音は吸収しきれなかったので、スピーカー背面の下側にお手軽な吸音材を追加で設置しました。
これで大分低音がスッキリして、引き締まってきました。
中高音をどう制御するか
低音過多が気になり吸音ばかりしていると、中高音の響きがなくなり、なんともつまらない響きになってしまいます。
吸音と反射を適度に織り交ぜてルームチューニングしていく必要があります。
スピーカーのツイーターくらいの高さの背面にお気軽な反射材を設置しました。
高音が拡散され、より明瞭に聴こえるようになりました。
設置位置はいろいろ試しましたが、ちょうどツイーターの背面の壁への設置が一番良い効果を感じました。
手作り吸音ボード
低音の制御で述べた手作りの吸音ボードです。
低音の制御と、スピーカーの背面の壁がちょうど隣戸との境の壁になっているので、少しでも隣戸に音が漏れないように吸音する、という効果も期待して作成しました。
これはすごく簡単に作成できます。
- ホームセンターやAmazonなどで「スチレンボード」を買ってきます。
- 手芸屋さんやAmazonなどで「フェルト」を買ってきます。
色は自分の好みで選択。
私は部屋の壁の色に合わせてオフホワイトを選びました。
- 「スチレンボード」に「フェルト」を巻き付けて固定します。
- この「吸音ボード」をブル・タックなどで壁に固定します。
- ブル・タックとは、粘土みたいな素材で粘着性があり、いろいろなものを粘着で固定できるもので、剥がすことも簡単にできるものです
中部地区だとDCMというホームセンターが有名です。
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お手軽な吸音材の導入
お手軽な吸音材として、KRYNAの「Watayuki」を導入しています。
スピーカーの後ろに置くだけで、余分な反響音やにじみなどがスッキリ改善し、部屋のコーナーに置くと角にこもっていた音を吸い取り、部屋のバランスを整える、というものです。
Watayukiの吸音素材は環境や人体にやさしいPET素材で出来ています。
綿菓子のように軽くてやわらかい繊維が折重なる弾力感のあるミルフィーユ構造で、高い吸音作用を持つと同時に、通気性が高く、音が自然に減衰し、音のつまりやこもりといった反作用を引き起こしません。
厚みの異なる4つの吸音ブロックが、多様な音域に対応し吸音をコントロールします。
我が家では、「手作りの吸音ボード」とは別に、スピーカー背面の床の角に設置しています。
お手軽な拡散材の導入
お手軽な拡散材として、KRYNAの「Azteca」を導入しています。
音楽を再生するとリスニングルームの中に発生する定在波が邪魔をして音をにじませてしまいます。
そこで、定在波が発生しやすい場所に拡散材Aztecaを置いて音の反射方向を散らす事で、 音の滞りを減らしてストレスのない空間をつくることができます。
また、音が吸われ過ぎ、デッドになっている場所にAztecaを使うことで過度な音の吸い込みを防ぎ、部屋のバランスをとることができ、ライブ感のある音楽再生が楽しめます。
Aztecaピラミッドを思い起させるユニークな形状は、段の高さによって音の反射波に遅延を生じさせ、定在波を減衰させる効果があります。
また、角度を調整し傾斜をつけたピラミッドステップによって、音を上下左右に散らし、響きを調整することで部屋の音響特性を改善する、とのことです。
我が家ではスピーカーのツイーター位置の背面に設置しています。
ちょうど「手作りの吸音ボード」の上に乗せて、ブル・タックで壁にくっつけています。
ルームチューニングの結果
できるだけお金をかけずにお手軽なルームチューニングを実施しました。
その効果ですが、結構ありました。
ボワついてスッキリしなかった低音が、ボワつきを抑えることができました。
そしてしっかり締まった低音が出るようになりました。
また、中高音ですが拡散材の導入前よりも、より中高音が拡散され、音に広がりが出て、明瞭度が高まるのを確認できました。
まとめ
本格的にルームチューニングをやろうと思うと、もっと大きな反射材などのルームチューニング材を導入したりと、結構なお金がかかってしまいますが、今回はお金をかけずにお気軽に実施するルームチューニングを紹介しました。
- ルームチューニングの必要性
ルームチューニングは必要!
- 低音をどう制御するか
吸音材で余分な低音を吸音
- 中高音をどう制御するか
拡散材で中高音を拡散させ、広がりと明瞭感を向上
- 手作り吸音ボード
手作り吸音ボードの作り方紹介
- お手軽な吸音材の導入
KRYNA Watayuki の導入
- お手軽な拡散材の導入
KRYNA Azteca の導入
- ルームチューニングの結果
我が家ではかなり効果があった
スピーカーから聴いている音以外が5割以上も占めるので、部屋の反射音などの音響特性はすごく大事です。
また部屋の音響特性に加えて、スピーカーの設置位置を決めるのにも、ミリ単位での調整が必要です。
私も数ミリ スピーカーの位置を動かしては音を確認する、という作業をかなり繰り返して、今の設置位置に至っています。
それくらいオーディオ機器の設置や、設置する部屋の環境は、すごく重要なんです。
ルームチューニングという概念は、オーディオを何十年もやっている人は結構当たり前に知っていることなんですが、そこまでマニアでもない人にはよく分からない領域かもしれません。
今回私のやったお気軽ルームチューニングは、私の部屋では効果が出ましたが、皆さんの部屋で効果が出るかは分かりません。
皆さんの部屋の音響特性によって、その対策も変わってくるからです。
しかしながら、お金をあまりかけずにちょっとした工夫で部屋の音響特性を改善し、より良い音が聴けるようになるんだったら試行錯誤してやってみる価値はありますよね。
お気軽なルームチューニング材を作ったり、使ったりして、少しづつ調整しながら皆さんのリスニングルームの音響特性を改善してみてください。
少しでも私の記事が皆さんの楽しいオーディオ・ビジュアルライフの一助になれば幸いです。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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