AV情報家電 家電製品アドバイザー(エグゼクティブ等級)でオーディオ歴40年以上のyacchiです。
今回は、是非SACDディスク再生の高音質を味わっていただきたいと思い、高音質SACDディスクなどを紹介していきます。
SACDとは
SACDは、Super Audio CD(スーパーオーディオCD)の略です。
1999年にソニーとフィリップスにより規格化された、次世代CD規格の1つです。
CDと同じサイズの光ディスクです。
SACDは、CDとは違い、音声信号のデジタル変換にリニアPCMではなく、DSD(Direct Stream Digital)という方式を採用しています。
DSDは、音声信号の大小を0または1の1bitデジタルデータに変換するデジタルシグマ変調を用いて記録する方法です。
ハイレゾ音源でも使用されることのある方式です。
標本化周波数(サンプリング周波数)はCDの64倍の2.8224MHz、 理論上の高音域の再生可能周波数は100kHz以上で、ダイナミックレンジは約120dbです。
この高音域の再生可能周波数は100kHz以上というのもミソで、本来人間の耳では聴こえない周波数ですが、実は体で感じていて、これが倍音となって、アナログLPレコードのような音の深みや臨場感、暖かみを実現させているのです。
CDは、標本化周波数(サンプリング周波数)は44.1kHz、ダイナミックレンジは約96db、高音域の再生可能周波数は、20kHzです。
SACDディスクの再生には、SACDに対応したプレーヤーでの再生が必要です。
CDとの違いをまとめると以下です。
- データ容量がCDの約6倍(CD:約700~780MB、SACD:4.7GB)
- サンプリング周波数がCDが44.1khzに対して、SACDはCDの64倍の2.8244MHzで高音質
- SACDは再生周波数帯域が100kHzまでとCDの20kHzよりも広い
- SACDのダイナミックレンジは、CDの98dBに対して120dB以上である
- CDはステレオのみの対応だが、SACDはマルチチャンネルにも対応している
ストリーミング等のネット再生との違い
私もPCオーディオやネットワークオーディオ環境があります。
しかしながら、この辺は奥深く、中々高音質再生まで至っていません。
再生機器やPC、ネットワークなどやジッターなどの環境が複雑に絡み合っているものと思われます。
少なくとも私の環境では、ストリーミングによるハイレゾ再生よりもSACDによる再生の方がはるかに音質が良いです。
また、何よりもディスクをプレーヤーにセットするという行為が、音楽を聴くぞ!という気分を盛り上げるのです。
おすすめのSACDディスク3選
私がおすすめするSACDディスクは、以下の作品です。
- come away with me / Norah Jones
- singles 1969-1981 / CARPENTERS
- camomile Best Audio / Emi Fujita
1 . come away with me / Norah Jones
Norah Jones(ノラ・ジョーンズ)は、アメリカのピアノ弾き語りジャズ歌手&ジャズ・ピアニストです。
父親はインドで最も有名な音楽家でビートルズにも影響を与えたシタール奏者ラヴィ・シャンカル、異母妹はイギリス人シタール奏者のアヌーシュカ・シャンカル、母親も高く評価されていたアメリカ人コンサート・プロデューサーのスー・ジョーンズという音楽一家です。
ジャズのスタイルを取りながら、ソウル、カントリー、フォーク、ポップスなど、アメリカのポピュラー音楽の要素を採り入れたデビュー・アルバム『Come away with me』が全世界で1800万枚を売り上げ(累計で2300万枚を突破)、グラミー賞では主要3部門を含めノミネート部門すべてで受賞し、本人としては5冠、作品としては8冠を獲得しました。
ビルボードのコンテンポラリー・ジャズ・アルバム・チャートで143週連続1位(2002年3月16日付〜2004年12月4日付)を記録するなどの記録を残しています。
彼女のデビューアルバムでありながら世界的に大ヒットしたアルバムです。
明らかに普通のCDと比べて音質は良いです。
ボーカルの再現性、生々しさが凄いです!
全14曲を収録しています。
曲名 | |
---|---|
1 | Don’t Know Why |
2 | Seven Years |
3 | Cold Cold Heart |
4 | Feelin’ The Same Way |
5 | Come Away With Me |
6 | Shoot The Moon |
7 | Turn Me On |
8 | Lonestar |
9 | I’ve Got To See You Again |
10 | Painter Song |
11 | One Flight Down |
12 | Nightingale |
13 | The Long Day Is Over |
14 | The Nearness Of You |
全体のジャズを基本にしながらバリエーションの多いジャンルの曲が入っており、全体的に穏やかで癒されるゆったりとした曲が多いです。
3曲目の「Cold Cold Heart」は、試聴の際に低音やボーカルの再現性を確認するためによく使用します。
このアルバムは、夜のリラックスタイムに聴くのがおすすめです。
2. singles 1969-1981 / CARPENTERS
妹カレンの美しいアルト・ヴォーカルと兄リチャードの卓越したアレンジ力で、日本でも不動の人気を誇るカーペンターズのベスト・アルバムです。
「イエスタデイ・ワンス・モア」「遥かなる影」「青春の輝き」ほか、デビューから81年までのシングルからリチャード自らが選曲しています。
皆さんも一度はテレビCMなどで耳にしたことがある曲が多数収録されています。
まさにカーペンターズを知るのに、ベスト!なアルバムです。
曲名 | |
---|---|
1 | For All We Know |
2 | I Believe In You |
3 | It’s Going To Take Some Time |
4 | We’ve Only Just Begun |
5 | Those Good Old Dreams |
6 | Superstar |
7 | Rainy Days And Mondays |
8 | Goodbye To Love |
9 | All You Get From Love Is A Love Song |
10 | Top Of The World |
11 | Only Yesterday |
12 | Ticket To Ride |
13 | Hurting Each Other |
14 | Yesterday Once More |
15 | Sing |
16 | Touch Me When We’re Dancing |
17 | Please Mr. Postman |
18 | I Need To Be In Love |
19 | I Won’t Last A Day Without You |
20 | Close To You, |
21 | For All We Know |
結構昔の曲とは思えないほど、録音音質は良いです。
このSACDはマルチチャンネルにも対応しているので、サラウンド環境がある人はマルチチャンネルで再生してもサラウンド感溢れる曲が聴けます。
3. camomile Best Audio / Emi Fujita
世界的に評価される藤田恵美さんによる“camomile”シリーズのベストアルバムです。
過去3枚の“camomile”シリーズから16曲をピックアップしています。
全曲リミックス、リマスタリングをSACD、マルチサラウンド(Hybrid)のフォーマットで実施しています。
このアルバムは、フジテレビ「とくダネ!」でオーディオファンで知られる司会の小倉智昭さんが大絶賛して、そこから火が付いてこのベストアルバムがスマッシュヒットとなった経緯があります。
藤田恵美さんと言っても、皆さんピンとこないのではないでしょうか。
元Le Coupleのヴォーカルで、大人気ドラマ「ひとつ屋根の下」の挿入歌「ひだまりの詩」が大ヒットしました。
曲名 | |
---|---|
1 | And I Love You So |
2 | Best of My Love |
3 | First of May |
4 | All My Loving |
5 | Unchained Melody |
6 | Desperado |
7 | Angel Voices Calling |
8 | Fields of Gold |
9 | Proud of You |
10 | Longer |
11 | Today |
12 | Walking in the Air |
13 | Beneath a Rowan Tree |
14 | Over the Rainbow |
15 | Wide Awake |
16 | Tears in Heaven |
17 | What a Wonderful World |
むちゃくちゃ高音質です。
藤田恵美さんの切ない感じのボーカルがなんとも癒されます。
本当に美しい声です。
このSACDもマルチチャンネルにも対応しているので、サラウンド環境がある人はマルチチャンネルで再生してもサラウンド感溢れる曲が聴けます。
SACDプレーヤーについて
SACDは、通常のCDプレーヤーでは再生できません。
CDプレーヤーでも聴けるハイブリッド構成のディスクも出ていますが、それではSACDの高音質は味わえません。
専用のSACDプレーヤーがわざわざ必要なの??
面倒だなぁ…
そういう気持ちは良く分かります。
現状、SACDを再生できるプレーヤーはそんなに多くはありません。
しかしながら、一旦その高音質を味わってしまうとSACDプレーヤーを手に入れて良かった! と思えるはずです。
今やSACDプレーヤーは高価なものになってしまいました。
いくつかSACDプレーヤーのリンクを中古も含めて価格の安いもの順に貼っておきます。
ちなみに私はMarantzのSACDプレーヤー(逸品館さんのカスタマイズモデル)を使用しています。
→こちらも参照ください。
スマホでの音楽再生の音質に満足していないあなたへ
まとめ:是非、SACDの高音質の感動を味わって欲しいです!!
今や便利な時代になって、ハイレゾ配信サービスを契約さえすれば気軽にストリーミング再生できます。
Amazon Music Unlimited、Apple Music、Deezer HiFi、TIDALなどがそうです。
私もAmazon Music Unlimitedを契約し、主にヘッドホン・イヤホンでハイレゾ音源を聴いています。
しかしスピーカーで聴こうと思うとハードルが上がります。
ハイレゾ対応のDAC(Digital to Analog Converter)が必要になり、それとアンプを接続させる必要があります。
CDプレーヤーとスピーカーで音楽を鳴らせる環境がある人なら、SACDプレーヤーの導入が一番ハイレゾ音源再生が簡単です。
ただ、SACDプレーヤーの価格が高くなってしまったのがネックです。
SACDディスク再生は、ストリーミングのハイレゾ再生とはまた違った味わいがあります。
お気軽さはネットワークオーディオやPCオーディオでのストリーミング再生の方が上です。
しかしながら、ディスクをプレーヤーにセットするというその儀式が良いのです。
その儀式は、これから音楽を聴くぞ!というスイッチのような役割なのです。
私はネットワークオーディオにもチャレンジしたことありますが、やはりディスク再生の方が音質は良かったです。
お気軽なPCオーディオやネットワークオーディオにも今後力を入れていこうとは思っています。
皆さんには、是非一度、SACDディスク再生の高音質を味わって欲しいです!
感動レベルの高音質でいつもの音楽が鳴ってくれます!!!
それでは楽しいオーディオ・ビジュアルライフを!!
※この記事の内容はあくまで個人の見解で、間違っていたり、最新でない可能性があります。できるだけ公式サイトのリンクを貼っておきますので、正しい情報は公式サイトをご確認ください。
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